ヨガで心をととのえるシリーズ⑬
こんにちは、アイメンテ神田本店の富澤です。
現代の私たちにとても馴染みのあるヨガですが、その教えはヒンドゥ教徒の間で最も敬われている聖典の1つ、「バガヴァット・ギーター」から数多く引用されています。
約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「バガヴァッド・ギーター」、サンスクリット語でバガヴァットは神、ギーターは詩とされますがバガヴァット・ギーターには、私たちの人生をより素晴らしいものにしてくれる古代賢者のさまざまな智恵が記されています。
*純質的幸福とは、最初は毒のように苦く、後に甘露のように甘くなる
純質とはヨガで理想的な状態のことを言います。そしてギータ-は「理想的な幸せは毒のような苦しみの後に訪れる」と説いています。
例えば登山に行くとしましょう。険しい山道を自分の足で苦労しながら登り、やっとの思いで辿り着いた山頂から見る景色と、ほんの数分でロープウェイで登った後に見る景色は、同じ場所から見る景色であったとしても、まったく違って見えるはずです。私たちの多くは出来ることならば苦しみは避けて通ってしまいたいと思いがちだと思います。全てにおいて、より早く、そして、より楽をして甘露を手に入れようとする現代社会・・・私たちが今感じている幸せというのは「ギーター」が説いている理想的な幸せなのでしょうか?
随分以前になりますが、子供たちがまだ幼少だった頃、茨城県ひたちなか市にある、国営ひたち海浜公園へ有名なネモフィラの花を見に行ったことがありました。距離があるので高速を使ったのですが、途中から渋滞に巻き込まれました。はじめは渋滞中も楽しく会話を弾ませにぎやかに過ごしていましたが、朝が早かったこともあり、気がつくと長男は気持ちよさそうに眠っていました。そのうちに、その眠りに誘われるように長女も、二男も。それならと暫くは好きな音楽をかけてドライブを楽しみながらハンドルを握っていました。
その後も渋滞した道路は、なかなか前に進みません。前日、夜遅くまで仕事で起きていたので寝不足なせいもあり、とてつもない大きな睡魔が、押し寄せる波のように私に襲いかかりました。事故を起こしてはいけないと頬をつねったり、叩いたり、水を飲んだり、あらゆる方法で睡魔と闘いながら車を運転し続けました。その後何度も押し寄せる睡魔と闘い続けていると、ようやく渋滞は解消され何とか無事に目的地に到着することが出来ました。
国営ひたち海浜公園はとても広く、東京ドーム40個分の敷地があります。公園内の移動は自転車をレンタルし、楽しみにしていたネモフィラの花畑へ向かいました。しばらく自転車をこぐと目的の丘にたどり着きました。そこで私は一瞬目を疑いました。青く美しいネモフィラの花があたり一面覆いつくし、まるで絨毯のように咲き誇る景色が広がっている!言葉を失うほどの美しさに子供たちも大喜びで「本当にきれいだね、遠いところまで来てよかったね」と感動していました。きっと子供たちの目に映るネモフィラはとても綺麗ですばらしかったのでしょう。しかし!!これは内緒ですが、眠い目を擦りながら苦しんで苦しんで出会う事の出来た私の目に映るネモフィラの方が格段と美しかったはずですよね(笑)。辿り着くまでの間に毒のような苦しみを経験したからこそ純質的な幸福を手に入れることが出来たと満足しながら帰路に着きました。
このようにして私たちが普段受け取ることを拒否してしまいがちな苦しみが、私たちをより幸福へと導いてくれる可能性があります。日々の生活の中で私たちが感じる苦しみというのは、その後に待っているであろう人生のメインディッシュをより素晴らしいものに変えてくれる魔法のスパイスなのかもしれません。
今皆さんの目の前にはどのような現実が広がっているでしょうか?
もしも毒のような苦しみが差し出されているならば、拒むことなくありがたくその苦しみを受け取ってみて下さい。きっと苦しみを多く受け取った分だけ、この後の人生が素晴らしい色へと変化していくはずです。
これからは苦しみを避けることなく理想的な幸福を手に入れられますように。
富澤